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ほぼ日刊イトイ新聞

2024-05-06

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・釣りをはじめたばかりのころ、
 電車に乗って鉄橋を渡っているときにも、
 その下に流れている川のなかにいる
 魚のことを想像していました。
 雨の日に、大きな水たまりがあったら、
 そこにも魚がいるような気がしていました。
 初心者ともいえぬ、門の前をうろうろしている小僧。
 そういう時期の浮かれ具合は、ほんとうにいいものです。

 いまは、付け焼き刃「論語」と、俳句ですよね。
 特に俳句のほうは、実作があるので休みなしです。
 「ほぼ日手帳HON」を一冊買って俳句手帳にしました。
 夏井いつき先生にも薦められた本も読み出しました。
 『20週俳句入門』(藤田湘子)です。
 俳句をつくることもおもしろいのですが、
 俳句のことを本で読むこともずいぶんおもしろい。
 この本を読み出すと、じぶんだけのための
 「歳時記」と、国語辞典を持ちたくなります。
 それを選んでいるうちに、他の俳句に関わる本に目が行って
 『俳句の作りよう』(高浜虚子)なんかも読み出します。
 これがまた、文章もいいんだよなぁ。
 さらにいえば、テレビ番組「NHK俳句」も見ます。

 俳句はおそらく世界最短の「ことば」の芸術ですから、
 なにを言ってなにを言わないかについての技術が、
 磨かれ続けているわけです、それがすごい。
 どんなにあがいても、たった十二音しかないんですよ。
 しかも季語という共同幻想のようなものを基調にする。
 もちろん季語は個人の思いつきでは使えない、
 歴史であり文化そのもの(共同幻想)だから、かな。
 なんでもかんでも「とにかくわかるように」という
 現代の「コミュニケーション原則」に対して、まるで
 あっかんべーしているようなところが俳句にはあります。

 藤田湘子先生が、本のなかでしつこく言うことがあってね。
 「自分のために・俳句を作るという行為を・
 自分で選んだ」ということを、つまりは、
 「自分の俳句を作る」ことを心がけることです、と言う
 (なんだか、覚悟が問われているような気がしない?)。
 これを、一句も作ってない読者に問いかけているのですぞ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
そして、今夜は井上尚弥対ネリの世界タイトルマッチです。


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